研究

マイクロナノパターンによる組織再生

基盤の3次元凹凸形状が幹細胞の機能制御に及ぼす効果を検証するための研究を行っています。特にナノマイクロ構造が幹細胞の分化に及ぼす効果を調べたところ、マイクロパターンの特定の寸法が幹細胞の骨芽細胞様細胞への分化を誘導することがわかりました。本効果は細胞接着班を介した反応でもあり,細胞内張力を阻害したところこれらの反応が消失することから,細胞内応力が幹細胞の分化を制御するメカニズムの存在が示唆されました.

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軟骨の再生

変形性関節症などで軟骨組織に変性が生じた際の治療手段として再生軟骨の利用が期待されています。本研究室では、せん断流れ、静水圧、圧縮ひずみ、超音波、マテリアルなどによる刺激で軟骨の再生を目指しています。また,スキャフォールドフリーの再生軟骨モデルの構築研究も行っています.これらのモデルでは物理刺激を加えることにより様々な形をもつ組織の形成が可能であり,さらに成長による形状変化を制御するための技術開発を行っています.

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血管の再生

圧力やせん断応力などの力学刺激下で再生血管を培養するためのデバイス開発を行っています.力学刺激が再生血管の培養に有効であるとわかっているため,より良い組織再生が可能な培養条件の検討, それを再現可能な培養装置の設計,製作,そして再生血管の培養評価を行っています.

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骨の再生

再生骨に物理刺激を負荷しながら,骨様組織の誘導を目指しています.特に,本研究室では骨組織内に生体内で存在する微小流れ負荷や,物質交換の場を提供するためのバイオリアクターの設計試作を通じて,機能に優れた再生骨の構築を目指しています.さらに,3次元造形技術とバイオリアクターの設計技術の統合により,複雑な構造を有する再生骨の生体外構築も目指しています.

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http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25423088

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25215543

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24764314

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23983180

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19160373

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19002585

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18041721

bonetissueeng.pdf

子宮の再生

先天的・後天的な子宮の疾患や欠損が原因で生じた不妊問題を解決するために,本研究室では子宮の再生にチャレンジしています.バイオメカ二クス的な 観点から子宮と同様の力学的・構造学的特性を有する脱細胞化子宮を足場として再生子宮をラットの子宮欠損モデルに移植したところ,力学的・生化学的・構造 学的に良好な組織の再生に成功しています.

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バイオリアクターの開発

力学刺激下で再生組織を培養するためのデバイス開発を行っています.より強度や成熟度の組織を構築するため,培養装置の機構検討,製作,そして培養実験を行っています.具体的には,せん断応力,静水圧,ひずみ応力,超音波刺激を負荷できるデバイスの設計試作を行っています.

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血管シミュレータの開発

血液適合性に優れた人工臓器を開発するために,生体内部の状況を再現した動的な血管シミュレータを開発しています.動脈,静脈,準静的な流れ,乱流,拍動流の存在下で,材料表面での血液の運動をリアルタイムに解析します(図中の緑の粒子が血小板です).本装置では,一つの材料の試験に要する血液の 容量が10μl以下で,再現性のよい適合性試験が可能となりました.

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メカノトランスダクション(物理刺激の感受機構の解明)

近年の研究から,物理刺激が正常な組織維持に必要であることや疾患発症を制御することがわかってきました.本研究グループでは,様々なバイオリアクターやリアルタイムイメージング装置を開発することにより,これらの現象のメカニズム解明を目指しています.

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3次元光造形技術の開発

再生医療では,組織の形状,構造を保つために細胞の足場となる担体が必要です.本研究室では,再生医療のための3次元的な担体の構造設計を行っています.レーザー技術などを用いて,微細構造をもつ構造体の造形技術を開発し,100nm程度の精度をもつ新造形技術の開発に成功しています.さらに,バイオリアクターを用いて臓器から細胞を除去して細胞外マトリクスから構成される免疫応答能が極めて低く,複雑な臓器構造を有する脱細胞化組織の構築技術の開発も行っております.

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レーザー光を用いた組織の物性計測技術の開発

再生医療によって作られた組織は,その患者さんのためだけに作られたオーダーメイド品です.従って,組織の強度などを確認するために,引っ張り試験などの組織を傷つけてしまう試験を行うことができません.本研究ではレーザー光を組織に当ててそのスペクトルを見ることで,再生組織の物性や組成を非侵襲的に評価する技術を開発しています.

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